新型燃料電池車FC凸DECK(FC凸デッキ)の化学反応式はこんな感じだ

東京モーターショー2013のダイハツブースで「FC凸デッキ」を見てきました。燃料電池の軽トラ(?)です。このクルマの特長は、低コストな燃料電池車であること。

貴金属フリー

燃料電池車は燃料となる物質の化学反応で電気を取り出しますが、その過程で強い酸性の液体を扱います。その強い酸性の液体の中から電気を取り出さなきゃならないので、そこに金属の棒を突っ込まなきゃいけません。でも、強い酸なので金属が溶けてしまう。だから強い金属が必要。ということで、その強い金属として、従来の技術では白金が使われていました。プラチナですね。「プラチナの指輪」とかで使われてる、あのプラチナです。

100分の1のコスト

プラチナだから当然高いわけです。それが、燃料電池車の高コストの原因の一つになっていました。それを解消したのが、このFC凸DECKで使われている燃料電池です。FC凸DECKの電極には、プラチナではなくコバルトが使われています。プラチナは1kgあたり500万円するのに対して、コバルトは1kgあたりわずか4万円。100分の1以下のコストで済みます。

水加ヒドラジンで解決!

電極にコバルトを使うことを可能にしたのは、「水加ヒドラジン」という物質。ダイハツの技術資料を見てみましょう。
ヒドラジン

図の左側、通常の燃料電池の化学反応式はこんな感じです。極めて単純な化学反応です。が、この反応から電気を取り出すにはプラチナが必要。
2H2 + O24e- + 4H+ + O22H2O

そして図の右側、FC凸DECKの化学反応式はこんな感じ。すこし複雑ですが、これなら電極にプラチナを使わず、コバルトでOKです。
N2H4 + H2O + 4H2O + O2
N2H4 + H2O + 4OH- + 4H+ + O2
N2 + 5H2O + 4e- + 4H+ + O2
N2 + 5H2O + 2H2O

私は大学時代物理学科だったので、こういう化学反応式っぽいものはわかるようなわかんないような・・・って感じです(笑)。ヒドラジンを使うという発想はものすごい発見なのか、普通の考え方なのかよくわかりませんが、ともかく低コスト化を形にしたのは偉いと思います。実際に走る状態まで持っていったようですし。ダイハツ公式の動画が上がってました。

発電量がまだ十分でないというネックはあるようですが、なんとか時間をかけてでも技術開発していって欲しいですね。期待してます!

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