タカタのPERは5.4倍 倒産を意識した水準か

タカタエアバッグ問題について色々書いておりますが、今回はタカタの株価について書いてみたいと思います。

倒産を意識した水準かな

これを書いている現在、タカタの株価は1305円です。
タカタ(株)【7312】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス

これが高いか安いか。それは色々と計算してみないとわかりませんし、リコール費用が明らかになっていない現状ではタカタ株を買うことはバクチに近いことです。ですが、ムリヤリ色々と仮定して概況を検証してみます。

PERという言葉があります。これは、日本語では「株価収益率」と呼ばれる株価指標です。その株の時価総額がその会社の収益の何倍になっているかを表す数字です。

直近でのタカタの利益額予測は、398億円になっています。情報元はタカタの決算説明資料です。
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PERは20倍くらいが普通だと言われています。もちろん業種によったり個々の会社の状況によって適正値は色々動くのですが、ものすごくザックリ言うとPERは20倍が普通です。そんで、20倍より大きければその株は割高、20倍より小さければその株は割安ということになります。

ただ、この20倍と比較して割高・割安というのはあくまでも20倍が適正値だと仮定した場合です。成長著しい会社だと、PERは高めになります。逆に、もう成長しないだろうとか、そろそろ倒産しそうだと見られている会社の場合は、PERは低くなります。

そしてタカタのPERを計算すると、5.4倍です。普通は20倍なのに5.4倍。すっげー割安・・・とは思わないで下さい。これは、タカタが潰れそうだと思っている人が多いからこそこの低いPERで放置されているのです。つまり、ここまで安くならないとタカタの株を買う人がいないのです。株が紙くずになる可能性を秘めているからこそ、この株価になっているのだと思われます。

タカタの商売は、エアバッグを始めとして、工場で何かを生産して売るってのが主軸になっています。こういう商売は「装置産業」と呼ばれ、割と業績予想がしやすく、株価の上下動も少ない業種です。そういう業種であるにもかかわらず、標準のPER20倍から大きく離れた5.4倍。これは異常な値です。タカタが健全な状態ならこんなPERになるはずがありません。みんなが潰れそうだと思っているからこの株価になっているのです。

もちろん最終的にどうなるかわかりませんけど、投資家の目から見ても、タカタは倒産を意識せざるを得ない状態になっているようです。先行きはかなり厳しいです。