タカタエアバッグ問題は未だ収束せず(2015年5月時点)

タカタエアバッグ問題を定期的に追っておりますが、これを書いている2015年5月時点では、まだ収束が見えていないようです。

未だ収束せず

タカタエアバッグ問題について初めて聞いたという方は、タカタ製エアバッグ問題の現状は?の記事をどうぞ。

タカタは5月8日に決算短信を発表しました。これはエアバッグ問題とは無関係に会計処理上、税務上手続きとして必要なことなのですが、この中にエアバッグ問題についてこんな記述があります。

一部自動車メーカーでは、米国外の一部地域でも、不具合の有無及び原因を調査するための自主回収を実施しております。当該調査リコールの結果、当社製品の瑕疵が認められた場合等には、当企業グループが調査リコール費用を一定割合負担する可能性がありますが、現時点では原因を調査中であり、当企業グループの負担の発生可能性及びその金額を合理的に見積ることは困難であります。

これは会計書類用の記述なのでちょっとピンと来ないかもしれませんが、重要なのは「当企業グループの負担の発生可能性及びその金額を合理的に見積ることは困難であります。」の一文です。

一般的に、会社の商品に不具合が見つかって回収修理が必要になった場合、上場企業においてはソッコーでその損失を見極め、「これぐらい損する予定です」というのを見積もって宣言しなきゃなりません。しかし、今回のタカタの決算短信では、「当企業グループの負担の発生可能性及びその金額を合理的に見積ることは困難であります。」という記述になっています。これはどういうことかというと、「もしかしたら損が発生するかもしれないけど、不具合の内容がよくわかっていないのでその損失額を見積もることができない」という意味です。つまり、まだ不具合の原因を見つけられていないということです。

まあ、タカタ側に立てば、リコール隠しみたいなことをしてるわけじゃなくて正直に白状している分だけマシなような気もしますが、ともかくこのエアバッグ問題の原因は今のところ特定できていなということが改めて明らかになりました。このタカタエアバッグ問題は、大きな騒ぎになってからもうすぐ1年になります。あまりにも長い時間がかかっており、一般消費者の私としても非常に不満というか、情けない気持ちになります。日本は技術立国じゃなかったのか、と。

もちろん頭のいい人が頑張って調査し続けているんでしょうからあんまりチャチャ入れないほうがいいのかもしれませんが、それにしたって1年は長すぎる。なんとか収まってほしいものです。