ハイオクとはこんなモノだ

ハイオク。私は軽自動車の事ばかり書いているので、ハイオクガソリンには縁がありません。でも、クルマの大事な燃料のことなので、ちょっと勉強してみようと思いました。

オクタン価

ハイオクガソリンってのは省略語です。正確には何かというと、「高オクタン価ガソリン」。「高」を「ハイ」に直して「ハイオクタン価ガソリン」、これを略してハイオクです。

オクタン価が高いガソリンという意味になりますが、じゃあオクタン価って何のことでしょう?

ガソリンってのは、実は色んな炭化水素の混合物です。炭化水素ってのは、炭素と水素がくっついたもの。例えば、メタンってあるじゃないですか。ガスのメタン。あれも炭化水素で、こんな感じに炭素と水素がくっついています。こんな感じ。炭素1個と水素4個。
メタン

ガソリンは、上記のような炭化水素の、様々な種類のモノが混ざっている液体です。

オクタン価の評価指標となるイソオクタンはこんな感じ。炭素8個と水素18個。図は適当に書いてるので、ガチで化学やってる人が見たら怒られちゃうかもしれないけど・・・
イソオクタン

さっきのメタンよりもずっと複雑ですね。このイソオクタンこそが「ハイオクタン」の「オクタン」です。もしこのイソオクタンが100%のガソリンがあったら、それが最も純度の高いハイオクガソリンということになります。

このイソオクタンの化学的特徴は、燃えにくいこと。え?って思った人も居るんじゃないでしょうか。ハイオクってのは燃えにくいガソリンなんですよ。そして、燃えにくいガソリンだからこそ大きなパワーが出るんです。

下記の図はガソリンエンジンの図です。ピストンが動きながら、ガソリン混合気を圧縮して点火していますね。
4-Stroke-Engine

一般的に、この圧縮時の圧縮率が高ければ高いほど、ガソリンからパワーを引き出せます。でも、ガソリン混合気体は圧縮すると熱を持ちます。なので、圧縮し過ぎると圧縮で発生した熱だけで点火前に爆発してしまい、結局パワーを引き出せません。

そこでハイオクガソリンです。ハイオクガソリンは燃えにくいので、高い圧縮率まで爆発しないでガマンしてくれます。なので、そういう高い圧縮率を想定してエンジンを作り、ハイオク専用エンジンとしてクルマに乗っけて販売されてたりするわけです。

つまりはハイオクガソリンは燃えづらいからハイパワーなガソリンということですね。

なお、燃えやすいガソリン構成分子の例はこれ。ノルマルオクタン。まっすぐに炭素が並んでますね。
ノルマルオクタン

あと、ハイオクガソリンはハイオクガソリン向けエンジンで燃やすと大きなパワーを得られますが、レギュラーガソリンのエンジンの場合は、結局上記の圧縮率がレギュラーガソリン向けの低い圧縮率で点火されてしまうので、大きなエネルギーは得られません。説明書通り、レギュラーガソリン車はレギュラーガソリンを、ハイオクガソリン車はハイオクガソリンを入れましょう!