日産NV100クリッパーがモデルチェンジ!スズキOEM継続!

日産NV100クリッパー・NV100クリッパーリオがモデルチェンジしました!スズキからのOEM提供は継続されました!

目次

微妙な位置の日産の軽

NV100クリッパー&クリッパーリオ。「NV100クリッパー」はスズキ・エブリィ(商用車)のOEM、「NV100クリッパーリオ」はスズキ・エブリィワゴンのOEM。どっちもOEM、つまりスズキが作ったクルマを日産が仕入れて売ってるってことです。

このNV100クリッパー&クリッパーリオは非常に非常に微妙な位置のクルマ。その微妙っぷりの理由は3つあります。

NMKVがあるのにスズキから仕入れてる

一つ目の理由。日産は、三菱と軽自動車専門の合弁会社である「株式会社NMKV」を作って、そこで軽自動車を生産しています。しかし、このNV100クリッパー&クリッパーリオはスズキから仕入れているんです。軽自動車専門の関係会社を手元に持っているにもかかわらず、外部の会社であるスズキから仕入れてるんですよ。

これって、会社の資本関係からすればかなりねじれてます。日産とスズキは、OEM提供の契約を結んでいるとはいえ、ただの取引先ですからね。もっと言えばライバルでもあります。よくある表現ですが、「片手で握手しながらもう片方の手で殴り合っている」関係です。既に日産は三菱と合弁会社を作っているんですから、そっちで生産するのが筋のはず。でもそうなっていない。スズキのエブリィ&エブリィワゴンを仕入れて売ってる。

三菱も軽ワンボックスを作ってるのにスズキから仕入れてる

二つ目の理由。上記の通り、日産と三菱はNMKVという合弁会社を作ってそこで軽自動車を生産しているわけですけど、三菱は、NMKVを通さずに自社で直接、軽ワンボックス車を生産しています。その名前はタウンボックスミニキャブ バン。なんとなく聞いたことあるんじゃないかな?

日産と三菱は協力関係にあるわけなんだから、三菱が生産してるタウンボックスとミニキャブバンを日産が仕入れて売っても良さそうなもんじゃないですか。でもそうなっていない。スズキのエブリィ&エブリィワゴンを仕入れて売ってる。

日産は「国内生産100万台」を目指してるのにスズキから仕入れてる

三つ目の理由。日産は国内生産100万台回復を目指しています。生産100万台を目指すなら、OEM提供を受けて仕入れて売るんじゃなくて、自分で作って売りたいはず。もちろん仕入れて売るのだって立派な商売だと思うけど、取れる利幅は自社生産の方が大きいからそっちを選択したいのは当然の心理。

NV100クリッパー&クリッパーリオの販売台数は、ざっと見たところ年間2万5000台程度。100万台という大きな目標に対して、まあ、小さいけどそこそこの割合を占めることになります。本当はこれを自社生産したいはず。でもそうなっていない。スズキのエブリィ&エブリィワゴンを仕入れて売ってる。

いずれはNMKV生産 or 日産自社生産になるだろう・・・

そんなわけで、非常に非常に微妙な位置に立っているNV100クリッパー&クリッパーリオ。マイナー車種だけど、これからどんな道を辿るのか注目したいと思います。