水素を常温常圧で保存・運搬する手段ってあったんだ!!

こないだ、トヨタが「燃料電池車(FCV)を2014年度内に発売する」と発表しました。
FCV(燃料電池自動車)| トヨタ

これ、私は実用には乗らないだろーと思ってたんです。理由は水素の保存・運搬の難しさ。水素は常温では気体なので、そのまんま扱ってるとエネルギー密度が低すぎて使えないんですよね。なのでギューーーーっと圧力をかけて、更にとてつもなく冷やして液体水素にしてタンクに貯蔵しなきゃなりませんでした。

絶対零度に近い温度

水素が液化する温度は、絶対零度である−273.15度に近い-252.6度です。マイナス252度ですよ。考えられます?私、冬に北海道行ったことありますけど、マイナス15度くらいでもう地の果てに来たような寒さでしたからね。なんだよマイナス252度って。アホか。

常温・常圧で液体!

しかし、色々調べてたらなんと常温・常圧で水素を保存・運搬する技術がありました。これ。
産総研:二酸化炭素とギ酸を相互変換するエネルギー効率の高い触媒を開発

2012年3月に、日本とアメリカの共同研究で発表された資料のようなのですが、触媒を使うことで水素をギ酸(蟻酸)の形で固定化し、水素が欲しい時はpH(ペーハー)を調整すれば高圧の水素が出てくるそうです。

上記リンク先には「燃料電池に利用するためのガスの圧縮が不要」って書いてあるけど、これホントかな。にわかには信じがたい。だって、水素の液化には上記の通りマイナス252度にする必要がありますから。強烈に圧縮すれば液化しないこともないけど、そこまでの圧力がこの反応で出るとは直感的には思えない。うーん。どうなんだろう。まあそのへんの難しいことを乗り越えてこそのこの発表なのかもしれませんが。

液体水素を液体のままで運搬するのってとんでもなく大変ですからね。なにしろ液体水素のある場所は全部マイナス252度にしなきゃならないわけです。工場で生産するところから、運搬するトラックの中も常にマイナス252度にしなきゃならないし、水素ステーションのタンクの中もマイナス252度。フツーの家庭用冷蔵庫でさえ相当な電気を食うのに、マイナス252度を保つのってどんだけだよって話ですよ。

もし上記の技術が、書いてある通り常温常圧で水素を保存できて、取り出したいときに高圧の水素を取り出すことができるなら、これはもう新しいエネルギー源を発見するくらいすごいことっすよ。でも、本当にできるのかなあ?ともかくトヨタが今年度に燃料電池車を発売するってのは大々的に発表されたわけで、水素の供給にもそれなりの目処がついたのだろうと思います。どんな要素技術が使われているのかも目が離せないっす!!