中古車は改正特商法対象外。悪質な業者は少ないらしい。
「押し買い」って言葉が出てきたのって2012年からでしたっけ。社会問題になって、「改正特定商取引法」っていう法律がこの2月21日に施行されました。一言で言えば、いわゆる「押し買い」に対してクーリングオフの適用ができるようにしたわけなのですが、自動車はこの法律の対象外なんだそうです。
悪質な業者が少ないからこその「対象外」
自動車は「押し買い」のクーリングオフの対象外。どうして?って思う方も多いと思いますが、これは変な官僚の人が悪徳中古車屋さんと結託して対象外にしたわけではなくて、そもそも問題となる取引が少なかったからのようです。
・・・とここまで書いてちょこっと検索してみたんですが、どうも自動車でも押し買いの「被害」は無くはないようですね。
下記サイトによると、「中古車買い取りを巡る相談は全国の消費生活センターに毎年約20件寄せられている」とのこと。
日経新聞 法務・犯罪「押し買い『中古車も規制を』」 - 息子たちに読んで欲しい日経記事
この20件という数字が多いか少ないかの判断は人それぞれでしょうが、私は少ないと思います。1年間で売買される中古車はだいたい400万台。そのうちの20件ですから、私の主観では少ないと思います。
そして、この改正特商法は、押し買いを直接規制するものですが、別にこの法律がなくても押し買いに対して刑事罰を与えることはできます。つまりは刑事犯罪の手続きの簡略化のための法律という側面が強いわけです。となれば、この20件の手続きの簡略化のために規制を強化するのはデメリットの方が大きいというわけでしょう。実際、クーリングオフのためにはクルマを買った中古車屋さんは、8日間はクルマを返却できるように何もせず置いておかなければならないわけで、そのクルマの駐車場を用意するのも結構なお金がかかるでしょうし、そのコストは販売価格にも跳ね返ってくるではずです。
まあ、「今は」中古車業界は全体としては健全なので、規制の対象外になっているということでしょう。私もガリバーやカーセンサーの一括査定に申し込んだ時は嫌な気分になるようなトークをされたことは全くありませんでした。
ただ、やっぱり商売の世界はモラルが崩れ始めたら早いので、一方では安心しつつ、一方では監視の目を光らせておくべきなのかもなーと思います。