S-エネチャージはなぜハイブリッドを名乗らないのか
スズキの低燃費技術の核をなすS-エネチャージ。S-エネチャージでは、減速時のエネルギーで発電してバッテリーに電気を貯め、それを加速のためのエネルギーとして使います。プリウスやアクアといったハイブリッド車と同じです。
でも、S-エネチャージを搭載しているワゴンRやハスラーやアルトなどは「ハイブリッド車」を名乗っていません。それってなぜなんでしょう?
電池容量がものすごく少ない
ワゴンRもハスラーもアルトも、言おうと思えばハイブリッド車と言うことはできるはずです。でもスズキはそうしていない。それはなぜかと言えば、おそらく電池容量が極端に少ないからだと思われます。
S-エネチャージの電池容量は、色々調べてみたところでは0.036kwhらしいです。これに対して、ハイブリッド車として名前が売れているアクアはどのくらいかというと、0.936kwhです。
0.036kWh対0.936kWh。S-エネチャージの電池容量は、アクアの26分の1しかありません。とてつもなく大きな差ですね。
たぶん、スズキはこの点を気にして「ハイブリッド」を名乗っていないのだと思われます。とにかく貯められる電気量が少ないんです。
この点を反映してか、アクアはバッテリーによるモーター駆動単独での走行が可能ですが、S-エネチャージ搭載車は、モーター駆動はあくまでも補助であり、走行時には必ずエンジン駆動が必要な設計になっています。
S-エネチャージはアシスト範囲も限定的
S-エネチャージのモーター駆動はどんな時に働くのかというと、加速時の30秒間だけです。最新のハスラーのS-エネチャージで言うと、発進直後から時速85kmまでの範囲のうち、最長で30秒間のみ。それも、上記の通りモーター単独ではなくあくまでもガソリンエンジンの補助としての動作です。
つまりは、走行中のほとんどの時間はS-エネチャージのモーター駆動は動いていないということになります。
ただ、もちろん加速時のエンジン負荷が大きい時にモーターが補助してくれるのは燃費への影響は非常に大きいはずです。だからこそこないだのハスラーのマイナーチェンジでは燃費を2.8km/Lも改善させることができたわけで、ほんの小さな電池容量だけど、その小さな容量をフル活用しているとも言えます。
そんなわけで、S-エネチャージがハイブリッドを名乗らないことへの考察でした!