VWの不正対策費は9千億円、意外と少ない!

フォルクスワーゲンの不正問題について色々書いてますが、いよいよその対策費用が明らかになってきたようです。その金額は、約9千億円。

まあまだ最初のニュースが出てから一ヶ月くらいしか経ってないので、現状での試算がどのくらいの正確性を持っているのかはよくわかりません。が、まあともかく数字は出たようです。一度9千億円と試算して、昨日「もうちょっとかかるかも」って訂正を入れたそうです。
VW不正対策費、9千億円超か ミュラー会長が言及 - 47NEWS(よんななニュース)

9千億円でもうちょっとかかるってことは、1兆円ですかね。ううむ。そんなもんで済むのかな。ちょっと疑問。

というのも、不正の対象者は1000万台と言われています。1兆円で1000万台のリコールをする。1兆円を1000万台で割ると、1台あたりのコストは10万円です。

たったの10万円ですよ。そんなんで済むのか?と、非常に疑問に思います。だって、今回の不正は「環境にも優しくてパワーもあるエンジン作りました!!」って言って、実は環境に優しいって部分はウソで、そんな環境技術はどこにもなかったから。

つまり、筋としては、今回のリコールでクルマを回収修理するなら、そのウソついた素晴らしい性能のエンジンを積まなきゃいけないんですよ。でも、そんな技術は存在しなかった。存在しないエンジンを作って積まなきゃいけないはずなんです。そんなことできるわけないですよね。存在しないんだから。

フォルクスワーゲンにはその技術がない・・・、いや、技術そのものはもしかしたらあるのかもしれない。技術はあるけど、コスト的な問題で実用化を見送ったのかもしれない。もしそうだとすれば、まあ救いはあるけどね。

でも、そうだとしても、そのエンジンについて、これから大規模生産の準備をして作って積まなきゃいけない。それがどれほど大変か。まあ私も素人なんでその大変さはくわしいとこはよくわかんないですけど、エンジンをとっかえるってのはすごい労力のいることのはずです。燃費競争の激しい日本の軽自動車の世界でさえ、3年とか4年とかは同じエンジンが生き続けるからね。ということは、それと同じくらいの開発時間がかかるってことでしょ。たぶん。今からエンジン生産の計画を練って、実際に生産して、交換作業して・・・ってなるわけですよ。

それ、1台あたり10万円のコストでできんの?と考えると、私はできないんじゃないかなと思う。素人考えだけど、世界中に散らばってる対象車を根こそぎ見つけて対処しなきゃいけないわけですから。

そんなわけで、個人的には9千億円とか1兆円とかじゃ済まないんじゃないかなーと思います。大丈夫かなあ。なんというか、厳しく制裁は課してほしいけど、怒りに任せて潰しちゃうというのもちょっと違う気もする。生き残しておけば、将来役に立つ会社だとも思うので。

ま、外野としてはのんびり後続のニュースを待つとしましょう。