S-エネチャージとはどんなものか
大人気のスズキ・S-エネチャージ。2012年8月に発表された「エネチャージ」を進化させたものが「S-エネチャージ」です。S-エネチャージの発表は2014年8月。このS-エネチャージは何がスゴイのか、ちょっとまとめてみました。
目次
そもそも「エネチャージ」とは?
「S-エネチャージ」の説明をするには、その元となった「エネチャージ」の説明もしなきゃなりませんね。詳しくは2012年8月の記事を見ていただきたいのですが、エネチャージでは、従来はすべて捨てていた減速エネルギーで発電し、専用バッテリーに充電し、それを車内の電装品に使っていました。例えば、メーターとか、ストップランプとか、オーディオとかです。
S-エネチャージのすごいところ
減速エネルギーを走行エネルギーとして使える!
しかしS-エネチャージでは、減速エネルギーで発電した電気を、そういった電装品だけではなく、走行するためのエネルギーとしてエンジンの補助に使えるようになりました。
減速エネルギーを走行エネルギーとして使える。それって、結局ハイブリッドってこと?って思った人も多いんじゃないかと思います。それは正しいです。減速エネルギーを走行エネルギーとして使えるクルマをハイブリッド車と呼ぶなら、S-エネチャージ搭載車はハイブリッド車です。
S-エネチャージはハイブリッドを名乗ってない
ただ、S-エネチャージ開発元であるスズキとしてはハイブリッドを名乗っていません。その理由はスズキの中の人じゃないとわかりませんが、私はたぶん電池容量の差にあるのだろうと思っています。
S-エネチャージの電池容量は0.036kWhです。それに対し、名前の売れているハイブリッド車であるトヨタ・アクアの電池容量は0.936kWh。比率を計算すると、S-エネチャージの電池容量は、アクアの26分の1しかありません。S-エネチャージの電池は、ものすごく小さいんです。だから、走行エネルギーとして使える電気も少ししかなくて、エンジンを補助できる時間は長くはありません。それが、S-エネチャージがハイブリッドを名乗らない理由。たぶんね。
とはいえ、普通に街を走っていればしょっちゅう信号で止まらされるわけで、充電する頻度は高いです。なので、この小さな電池容量でも効果は十分。燃費向上には大きく寄与しています。
高性能ISG搭載
さらに、S-エネチャージでは高性能ISGを搭載しています。ISGって「Integrated Starter Generator」の略で、モーター兼発電機のことです。このISGで、減速時は電気を発生させて充電し、加速時は電気を使って推進力を生み出しています。
そしてこのISGの効率が素晴らしいんです。普通のクルマでも電装品を動かすための電気を発生させるための発電機は搭載されていますが、このS-エネチャージのISGはその発電の効率が高いんです。従来の発電機と比べて発電効率が30%向上。30%ですよ。燃費性能の競争が激しい軽自動車業界にあって、効率が30%も向上したってのはとてつもなくすごいことです。
専用リチウムイオンバッテリー
ISGが高性能になったってことで発電量が増えたわけですけど、その大電流を受取るのは実は難しい。電池ってのは基本的に充電がゆっくりであればあるほど作るのが簡単なんです。でも、S-エネチャージではクルマの減速エネルギーで発電するわけで、ブレーキをかけた瞬間に大電流が一気に流れることになります。S-エネチャージでは、その大電流に対応するための高性能な専用リチウムイオンバッテリーが搭載されています。
ただ、高い
そんな素晴らしいS-エネチャージですが、欠点もあります。それは、高いこと。S-エネチャージは高いんですよ。これを書いている時点で、S-エネチャージを搭載しているワゴンRの「FZ」は137万円。それに対して、非搭載の「FA」は107万円。実に30万円差です。FZとFAはS-エネチャージの搭載・非搭載以外にも色々な違いがあるので単純にS-エネチャージの値段が30万円というわけではないですが、とはいえこの30万円を出さなければSエネチャージ搭載車を手に入れられないのも事実。
個人的な意見としては、S-エネチャージは素晴らしい技術であることは確かだと思いますが、一方で、節約できるガソリンの値段とこの30万円を比べると、S-エネチャージは高すぎると思います。買い手にとっては経済的メリットがないと感じます。
なので、スズキさんには頑張ってもらって、このS-エネチャージをコストダウンしてもっと安く、そして廉価グレードにも搭載できるようになって欲しいです。
なお、次に買う車をS-エネチャージ搭載車か非搭載車かで迷っている方は、ガリバーに相談してみると良いですよ。クルマの使い方によって、どちらを選ぶべきか提案してくれます。上記リンクから候補車種と名前と電話番号を入れると向こうから電話がかかってくるので、そこで相談できます。電話はあくまでも向こうからかかってくるので、電話代はかかりません。完全無料で相談できます。迷っている方にはオススメです!