中小企業でもETCカードを持てる「高速情報協同組合」覚えといてもいいかも

高速道路を利用するクルマの9割がETCを使用しており、非ETC搭載車の高速道路料金が値上げされようとしています。私は、基本的にはそれには賛成。ETCの方が高速道路会社さんにかかるコストは格段に抑えられるので、高速道路料金はETCを優遇したほうが下がるはず。実際、ETC利用車は既に高速料金は優遇されています。

でも、そんな中でETCカードを持てなくて悩んでいる人たちもいます。中小企業の人たちです。

世知辛いね

ETCカードを持つためには、基本的にはクレジットカードを持つ必要があります。そして、クレジットカードを作ろうとすると審査がありますよね。審査があるということは、当然、その審査に落ちちゃう人もいるわけです。

私は幸運にもクレジットカードを持てていて、ETCカードも作っていますが、それって私がたまたま大きい会社に所属しているからなんですよね。ちょっと気が向かなくなって今の会社をやめてフリーランスにでもなったら、あっという間にクレジットカードなんか作れなくなります。

同じような理屈で、中小企業の人たちはクレジットカードを作れないことが結構あるようです。中小企業だと「いつ潰れるかわからない」と信販会社から判断されてしまって、審査が通らないんですよね。そうなると当然、ETCカードも作れない。ということは、ETC搭載車の優遇料金も受けられないということになります。

ただでさえ苦しい経営のことが多い中小企業なのに、ETCの優遇措置を受けられないんじゃ、余計にコスト増に苦しまなきゃいけなくなります。そこに立派な高速道路があるのにですよ。ちょっともったいないですよね。

高速情報協同組合がいれば!

そんな中小企業さんの味方になってくれるのが高速情報協同組合。この組合は、たくさんの中小企業を束ねることで、中小企業でもETCカードを作れるようにしてくれています。

ETCでの高速料金の割引率は以下の通り。

  • 深夜割引:
    0時~4時の間にNEXCO3社が管理する割引対象道路を走行すれば割引が適用
    割引率・・・30%
  • 休日割引:
    土曜日・日曜日・祝日(終日)・毎年1月2日、3日にNEXCO東日本/中日本/西日本(NEXCO3社)が管理する地方部の高速道路で適用
    割引率・・・30%
  • 平日朝夕割引:
    平日朝6~9時、夕17~20時の間にNEXCO東日本/中日本/西日本(NEXCO3社)が管理する地方部の高速道路を走行すれば割引が適用
    割引率・・・一ヶ月あたり5回未満使用は割引無し、5回~9回は30%還元、10回以上は50%還元

適用条件はやや複雑なので、NEXCOのページをよく参照して下さい。
深夜割引 | 料金・割引・ETC | 料金・ルート・交通情報 | ドラぷら
休日割引 | 料金・割引・ETC | 料金・ルート・交通情報 | ドラぷら
平日朝夕割引 | 料金・割引・ETC | 料金・ルート・交通情報 | ドラぷら

ただいずれにしろ、現金で通行するよりはかなりお得なことは確かです。例えば、埼玉県の浦和ICから栃木県の矢板ICまでを週に二回、平日朝夕割引を使って往復するとしましょう。そうすると、30%の還元を受けられるので、一年間のトータルコストで考えると、現金の場合は総支払額は627,840円。それに対して、ETCの場合は439,488円で済みます。その差は188,352円。約19万円の得ですよ。これはすごい。

ただ、もちろんいいことばかりではなくて、この高速情報協同組合に入って運用するには費用がかかります。入会時に出資金としてまず1万円必要。ただし、この1万円は脱退時に返金されます。なのでプラスマイナスゼロ。

あと、最初にカード発行料が540円必要。で、年間維持費に1年あたり更に540円必要。それに加えて毎月の通行料支払額の8%が徴収されます。

とはいえ、上記の通り割引率が30%とか50%とかですからね。現金で通るよりは明らかに良い。

社員に現金を持たせずに済む

あと、これは直接的な費用の話ではありませんが、ETCを導入すると社員に現金を渡さずに済むこともメリットです。現金管理は面倒だし、あんまり考えたくありませんが社員がちょろまかしちゃう可能性もあるわけです。そういった間接的なメリットも、ETCにはあります。

そんなわけで、中小企業の味方になってくれる高速情報協同組合のETCカード。私も今の会社がイヤになったら入ろっと。