2014年軽販売台数No1はスズキ!8年ぶり!

2014年暦年ベース(2014年1月~12月)の新車販売速報が出ました!熱いデッドヒートを続けていたスズキとダイハツですが、2014年、勝ったのはスズキです!

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8年ぶりに首位奪還

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スズキが8年ぶりに首位奪還…2014年の軽自動車販売 | レスポンス

軽自動車界の2強といえば、言わずと知れたスズキとダイハツ。今二十歳くらいより上の人なら、「軽No1のスズキです」ってフレーズのCM、見たことあると思います。スズキは2006年まで、かなり長い間ずっと軽自動車販売台数トップだったんだよね。「かなり長い間」というか、軽規格ができてからずっとかな?ちょっと手元には1993年からのデータしかなかったんですけど、少なくとも1993年から2006年まではスズキが首位。そして2007年から2013年まではダイハツが首位になっています。

また、一昨年の2013年はダイハツにとって、「販売」だけではなく「生産」もトップに立った記念すべき年でした。軽自動車界は「OEM販売」が盛んです。例えば、日産にモコって軽自動車がありますが、あのモコは実はスズキが生産しているクルマ。スズキが作ったクルマを日産が販売しているんですね。そーいう構造があり、2007年からダイハツは「販売台数」でトップを奪取したものの、「生産台数」ではスズキに負けていました。2013年は、その「生産台数」でもダイハツはスズキを追い抜いてトップになったんです。まさに完全勝利。

しかし、その栄光から一転、2014年はダイハツは長く守ってきた販売台数No1の座をスズキに譲ってしまいました。ダイハツファンの私にとっては悲しい出来事です。ううっ。。。

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ハスラーがでかかった

まあ、2014年のスズキには、年初からハスラーというお化け車種がありましたからね。そのキュートな外観で人気を博しました。ハスラーの激長納期に君は耐えられるかって記事を書きましたが、雑誌の情報によればハスラーの納期は最長で9ヶ月に達したこともありました。恐ろしい。オンリーワンな魅力で、他車種のパイを食うことなく人気を集めたハスラーの存在は、まさに2014年の軽自動車界では台風の目でした。

僅差

なお肝心の2014年の販売台数は、スズキが70万9083台に対し、ダイハツが70万6288台。僅か2795台差です。上記のハスラーの月販台数はザックリ言って5000台強ですから、まあかなりの僅差ですよね。スズキが競り勝ったという印象です。

生産台数のトップは?

さっき生産台数についても触れましたが、2014年の生産台数トップがどうなったのかはまだ結果がまとまっていないようです。ただ、どちらかというと販売はダイハツが強く、生産はスズキが強いというイメージなので、販売でスズキが勝ったということはたぶん生産台数でもスズキが勝つでしょうね。2014年はスズキの完全勝利になりそうです。

まさに消耗戦

ただ、上のリンク先のニュースサイトでも触れられていましたが、軽自動車界はまさに消耗戦の様相を呈しています。特にスズキの旗艦車種であるワゴンRのグレード別スペックにその様子の一端が現れています。ワゴンRのS-エネチャージの元を取るには何km走る必要があるかという記事でも書きましたが、スズキ・ワゴンRはグレード別に燃費が3種類に分かれています。ということは心臓部である動力系統が3種類に分かれているわけで、これはもはや別のクルマと言っても過言ではないくらいの違いのように見えます。これはおそらく激しい燃費競争の結果、コスト増を転嫁し切ることができなかったことで発生した矛盾ではないかと私は感じています。

それを頭に入れて今回のスズキの販売台数No1を顧みると、スズキは勝ったものの、収益構造はちょいと脆弱なんじゃないかなーと思います。少し突っ込んで言うと、スズキのS-エネチャージは素晴らしい技術だけどコストメリットは無い。見せかけの燃費にこだわりすぎたために咲いてしまった歪んだ花かなと。

いずれにしろ今回の販売台数の差は3000台にも満たない僅差。2015年も厳しい競争が待っています。スズキとダイハツ、どうかユーザのメリットに繋がるいい戦いをしてほしいものです。