軽自動車じゃなくてダイヤを増税したらどうなるのか素人なりに考えてみた

軽自動車の増税に、スズキの会長が怒り狂っているようです。
スズキ会長、怒りあらわ「軽自動車よりダイヤを増税しろ」:イザ!

怒るのはわかるけど・・・

まー当然っちゃー当然ですよね。窮屈な規格の中で頑張ってきたんだし、なによりスズキは軽規格のボディのクルマをアジアで売ったりするまでになっています。技術面・経営面共に軽自動車の商売を目一杯盛り立ててきたわけです。その自負があるからこその怒りでしょう。

でも、唐突に特定の商品であるダイヤモンドを引き合いに出しちゃうのはどうかなあと思います。気持ちはわかるんだけど、でも、おじいちゃん怒りすぎでしょ。ちょっと抑えないと。ダイヤモンドの業界はとばっちりですよ。だいたいダイヤモンドは切削加工などで産業用途でも使われているわけで、天に唾するようなことを仰っているような気もします。

そんな感じで若干モヤモヤしたので、気晴らしにダイヤを増税したら十分な税収入があるのか計算してみることにしました。

まずは軽自動車の税収入。全国軽自動車協会連合会のサイトによると、軽乗用車が2000万台、軽商用車が800万台でした。軽乗用車の税金は現在、年間7200円、軽商用車は年間4000円。計算すると下表のようになります。

軽乗用車 軽商用車 増加する税収入
現在 7200円 4000円  
1.5倍した場合の増分 3600円 2000円 880億円
2倍した場合の増分 7200円 4000円 1760億円

この表の通り、軽自動車の税金が1.5倍になると880億円、2倍になると1760億円増えます。

それに対して、ダイヤモンドの取引量。これがなかなか資料が見つからなかったのですが、こちらのサイトによると、2012年上半期の輸入量は350億円。1年間ならたぶん700億円ですね。

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ここでウムムと思います。軽自動車税を1.5倍にすると税収は880億円、2倍にすると1760億円増えます。それに対してダイヤモンドの市場規模は、輸入量で700億円。これでは関税を100%くらいにしないと十分な税収は得られません。

まあ実際やるとしたらダイヤモンドだけを決め撃ちするわけにもいかないでしょうが、貴金属全般にかけるとしても市場規模はダイヤモンドの金額の10倍くらいしかないんじゃないでしょうか。今はダイヤモンドの関税は裸石ならゼロ%。アクセサリーに加工された状態なら6%程度です。宝石や貴金属類は先物取引などの市場が発達していますから、関税なんて1%でも上がったらたぶん大騒ぎでしょう。

そんなわけで、ダイヤモンドやら貴金属やらの税金を上げたところで軽自動車税の規模には全くかなわなそうです。怒るのはわかるし本気で言ってるわけではないと思うけど、冒頭に書いた発言は、やっぱりちょっと良くなかったんじゃないかな~と感じました。

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